Memberは、様々な専門を持つSDGsデザインユニットの構成員です。
紹介文の最後にはメンバーが各々取り組みたいことを紹介しています。
社会的課題のデザインによる解決
障がい者、高齢者、途上国の貧困層など、多様な「生活者の課題・ニーズ」の「デザインによる解決」をテーマに研究と制作に従事しています。
これまで、視覚障がい者、聴覚障がい者、車いす利用者など、多様な人とインクルーシブデザインの手法を用いて、文字、商品パッケージ、店舗、高齢者施設、病院のデザイン制作・監修、途上国の貧困層向けの商品開発に関わってきました。
自分だけでは何もできません。組織や分野の異なる人をつなぐことで、楽しみながら、世界をデザインで変える運動を起こしていきます。
自分自身では、途上国の貧困層の人々に役立つ絵本などのコンテンツを制作したいです。
生物のリズム現象
生物をじっと観察していると、繰り返し起こる「リズム」がしばしば観察されます。例えばヒトは毎日寝起きをしますし、ヒマワリは毎年夏に花を咲かせます。一方非生物である振り子もリズムを刻みます。両者は素材が全く違いますが、リズムという点からは共通性がありそうな気がしてきます。非生物と生物の間をさまよいながら、“生物とは何か”という問題を考えていきたいと思っています。
自然のデザインを明らかにすることと、その美しさに触れる機会を増やすためにどうしたらよいか考えること。
建築計画・建築設計
住宅をはじめとして教育・文化・医療施設など、日常生活に不可欠な建築のデザイン計画を専門としています。特に、人間と環境が相互に浸透し合う個性的で魅力的な空間の実現方法を、ユーザーの視点に立脚して考えていきます。
途上国の住宅問題、団地再生計画、災害後の復興、住宅地計画
音響システムの性能評価に関する研究
スピーカやマイクロホン、ネットワーク音響などの音響機器・システムの性能評価の研究をおこなっています。システムが現実の室内で使われる時に、適切な情報伝達を行うには、どのような特性が必要なのか。どうやって性能を測れば良いかを考えています。音響システムには、もちろん部屋の特性も含まれます。また、音響技術者のための聴覚トレーニング(聴能形成) に関する研究も行っています。
•ライブビューイング配信の一体感・臨場感を向上させる技術の開発、社会展開
•音響変換器の評価と利用技術開発
•親密度を損なわない会食空間の音響設計
•聴能形成の普及とカリキュラム開発
彫刻
研究として主に以下の活動に取り組んでいます。
1. 木や鉄などの実材を使った彫刻作品の制作研究
2. 廃仏毀釈で破損した修験道美術の復原と研究
3. アートと社会をつなぐ創造的プロジェクトの実践
博士(芸術学)
国画会彫刻部会員、山岳修験道学会評議員
アートを通じて、山と木と水の文化的意識を繋ぐ研究を行いたいです。
進行中プロジェクト:「東日本大震災支援 福岡エルフの木」「熊本震災支援 ちいさいおうちプロジェクト」「九州北部豪雨災害支援 流木再生プロジェクト/黒川復興ガーデンとバイオアート/吉木の山桜 復興祈願プロジェクト」等。
緑地保全学
専門は緑地保全学(Landscape conservation)。博士(芸術工学)。環境調査、環境管理、環境教育を手段として連動させながら、里地・里山・都市緑地の計画・設計、地域活動・ボランティアなどのフィールドを通じて、課題へのアプローチを試みています。近年、災害後の農地復旧ボランティア活動の実装研究等を実施しています。
国土の9割5分を占める非都市域地域の過疎化・高齢化が止まりません。雨量の多い我が国にとり、特に中山間地の生活圏での持続的な居住は、産業、文化、生物多様性、防災等の側面から大切です。都市化・近代化は世界の潮流ですが、自然の摂理と調和の取れる生活圏の保全・創造を実現したい。Act locally、地域の緑の保全、デザイン活動を進めます。
アートマネジメント
私の研究ではアートマネジメントの視点から、「障害/健常」を分けるような「境界線」と芸術の関わりについて取り組んでいます。障害者の表現活動をはじめとした、社会包摂的な芸術活動(音楽、美術、演劇、ダンスなど、その手法はさまざまです)を主な研究対象としています。異なる立場や背景をもつ人々がどのように協働することができるのか、研究/実践の双方からのアプローチを試みています。
芸術工学研究院のソーシャルアートラボという組織で、社会包摂をテーマとしたアートマネジメント人材育成プログラムの構築と運営を担当しています。異なる背景をもつ人々がともに生きていくための方法と、そこにあるアートの役割について言語化したり、構造を示すような研究や実践に取り組んでいきたいと思っています。
トランスポーテーション(公共交通機関)・デザイン、プロダクトデザイン、インダストリアルデザイン
公共交通分野でのデザイン経験を活かし、デザインと社会をテーマに、デザインの有用性に関する研究に力を入れています。
社会課題に対し、解決策の探求・提示を行い、より良い社会実現の推進力となれるよう取り組みます。
インダストリアルデザイン、デザイン学
「つくって考える。考えてつくる。考え方をつくる。つくりかたを考える。」を研究の基本方針として、通信機器・電子機器・計測機器・医用機器・家具などの「インダストリアルデザイン・プロダクトデザインの実践」から、「デザイン方法・デザイン学・デザイン論」を考えます。人間のためのデザイン実践を積み重ねることで、よりよいモノづくりを目指しています。
とにかくデザインする、そして実践から論理化です。
レジリエンスデザインとしてのバイアスを利用したデザイン(本質的リサイクル、三ケ国交流、中小企業共創、現場でつかえるデザイン史、フィンテックや自助具や共助システム…)
楽しいことが多すぎます。
デザイン教育
ICTの急速な進歩、グローバル化、知的財産権、環境問題を背景に、デザイン教育を通してローカルからグローバルまでの課題に取り組む手段に関心があります。アジアにおける中高等プロダクトデザイン教育を中心に、カリキュラムの企画と開発フレームワークやデザイン思考スキルの習得法に関する研究をしています。
デザイン思考をはじめ、批判的思考、創造的思考を養うことのできるデザイン教育を通して、子どもたちに生涯学習に取り組んでもらいたいです。
数理生物学、進化生物学
生物(ヒトも含む)は基本的に複雑です。生態系はたくさんの生物で構成されているのでもっと複雑です。そんな複雑な生物・生態系を少しでも理解したいという思いから数理生物学をやっています。現実を観察し、重要と思われる要素をうまく抜き出して再構成するモデル化作業(抽象画を描くようなものだと思っています)を行って、さらに数式を使うと、そのままでは「複雑」としか表現できなかった現象の本質が見えてくるのです。
生態系の持続性、人間文化の持続性、人間社会の協力・協働
環境経済学、社会思想史
持続可能な社会のデザインとそれを支える人間行動やライフスタイルについて研究しています。特に、有機資源が地域で循環する地域社会、低負荷で快適でコミュナルな生活の場所など。さまざまな行動ギャップがある中で、幸福を求める人間の本性に根ざして、持続する仕組みのデザインが課題です。
持続可能な社会と幸福との関係を考えたいと思っています。歴史的に、社会の価値観が大きく変わるときに幸福が着目されていました。幸福って何?をてがかりに、生活や社会のデザインを考えたいと思っています。
哲学、倫理学、美学、デザイン原論
私の専門は哲学です。水俣病の問題に直面して、あるべき技術のあり方を根底から考えるために、当時学んでいた工学から哲学の研究に転身しました。
水俣病、ハンセン病の強制収容、原子力発電、消費社会の荒廃や社会的格差など、理性が暴力的側面を帯びる事象について、哲学や倫理学の観点から考察しています。
私は本学部では、環境倫理学やデザインの哲学を中心に教えています。
様々な社会問題を緩和する技術のあり方とはどのようなものか、自然や人間のいのちをゆたかにするデザイン思想について、理論的観点から研究したいと思っています。環境倫理学の観点から貢献できればうれしいです。
デジタル映像デザイン
ゲームやアニメーションなどのコンテンツデザインをテーマとし、調査・研究、制作を行っています。社会問題を解決するためのシリアスゲームやゲーミフィケーション等を実践しながら、エンターテイメントが持つパワーを科学的に解明し、『おもしろい』社会創りに貢献していきたいと考えています。
エンターテイメントが活躍できるフィールドを広げること。
創造性、デザインプロセス、関係性のデザイン、事業創造デザイン、ソーシャルイノベーション
専門分野:ソーシャルデザイン
社会を「関係性」の織り重なりと捉え、人やデザインプロセスに着目した関係性の動的メカニズムの探求に実践起点で取組んでいます。現在は教育・共同研究・受託研究等を通じてwell-beingな社会を志向するソーシャルデザインプロジェクト(ビジネス分野を含む)を展開し、「関係性の動的デザイン」に関わる方法論の開発・検証に取り組んでいます。
エンターテイメントが活躍できるフィールドを広げること。
関係性の動的メカニズムの工学的アプローチによる可視化・定量評価
メディア・アート
音響学とインタラクションデザインを背景として、作品制作を主体とした実践に基づく研究を行っています。メディア・テクノロジーに批評的に向き合い、技術の人間化の一例として、新しい技術のデモにとどまらない表現のあり方を探っていきたいと考えています。
広範囲な目標が示されているSDGs、決して遠い世界の話ではないと思います。例えば、日本の大学におけるジェンダーバランスの悪さ、研究を進めていく上でのつくる責任つかう責任、といった身近な問題から目をそらさずに、日々の仕事に取り組んでいければと考えています。
写真:八嶋有司
コンピュータグラフィックス
コンピュータグラフィックスの研究分野で、染色のシミュレーション、画像の美化、アニメーションの作成支援などを研究しています。最近はその周辺分野にも手を広げつつあります。
SDGs関連分野で取り組みたいこととして、健康、エコ、自然、経済、不平等に関することにとても興味があります。
環境人類学
専門は環境人類学で、主に南アジアをフィールドとして、1990年代から調査研究を行っています。研究テーマは地下水ヒ素汚染、森林消失という環境問題の社会文化的分析です。とくに、貧困と環境問題の関係について研究しています。ここ数年は旧英領期の一般的な住宅や店舗建築を編年して、それらの建築を価値づけするプロジェクトを行っています。
SDGsについては、発展途上国の農村におけるヒ素中毒に長年関わってきたので、目標3の「すべての人に健康と福祉を」に関心があります。また、貧困が発展途上国では様々な問題の根源であることから、目標1の「貧困をなくそう」が大きな目標となりますが、これはそれほど一筋縄ではいきません。また、途上国社会に自らの文化に対する誇りを醸成するために、旧英領期の建物の価値づけを行っていますので目標11「住み続けられるまちづくりを」にも関連があると思います。
ユニバーサルデザイン、ソーシャルデザイン
専門はユニバーサルデザインで、デザイン現場で企業の価値、社会の価値を最大限に発揮するユニバーサルデザインプロジェクトを行ってきました。現在、九州大学大学院芸術工学研究院で、世界的デザイン教育研究拠点プロジェクトに従事しています。主に日本国内及び海外の研究機関と連携した教育・研究に関するプロジェクトの企画提案、マネジメントを行っています。
デザイン思考を活用し、多様な専門性を有する者と共に、国境を超え、時代を超える社会課題解決意識の高い人材育成に関わるプロジェクトを行っています。また、日本で構築したノウハウを中国に発信し、中国でもSDGsプロジェクトを行って行きたいです。
インテリアデザイン、オフィスデザイン、ものづくりデザイン、インクルーシブデザイン
1961年生まれ。コクヨ株式会社にデザイナーとして勤務し、在職中の1990~1992年にロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)に留学。マスターを取得し帰国後、アメリカのデザインコンサルタント会社IDEOに4年間勤務しました。九州芸術工科大学(現・九州大学)准教授を経て現職。日米の民間企業にてデザイナーとしてオフィスデザインや商品開発に携わっています。ドイツRed Dot賞、グッドデザイン賞、キッズデザイン賞など受賞多数。著書に『知覚を刺激するミュージアム - 見て、触って、感じる博物館のつくりかた』(学芸出版社2014年)などがあります。
2003年よりソーシャルイノベーションのアプローチであるインクルーシブデザインをベースに活動を展開し、英国王立芸術大学院(ロイヤル・カレッジ・オブ・アート)ヘレンハムリン・センター・フォー・デザインとのコラボレーションにより研究に取り組んでいます。福岡市科学館のサイエンス&クリエイティブのコンセプトづくりにも携わっている関係から科学とデザインの関係性について取り組みたいです。
写真:八嶋有司
知的財産法
専門分野は知的財産法です。デザインとの関係では、デザイン保護法制の国際的調和について取り組んでいます。
SDGs実現のための知的資産プラットフォームの構築
ソーシャルデザイン、ファッションデザイン、芸術を基盤とした研究
メラニー・サランツーは、九州大学でソーシャルデザインのフルプロフェッサーを務めるとともに、フィンランドのラップランド大学の客員教授でもあります。彼女の博士課程研究では、ナミビアのクラフトデザイン分野における長年の経験(ナミビア大学 1998-2007年)を基に、ポストコロニアルの視点からナミビアのクラフトおよびデザインのアイデンティティとナラティブを全体的にマッピングしました。
ポスドク研究者として、芸術的研究プロジェクト「Margin to Margin」(2016-2019年、コネ財団およびラップランド大学のプロフィ2戦略資金により資金提供)に参加し、ナミビア、フィンランド、オーストラリアなどの地域で、芸術やナラティブの実践が周縁化された女性コミュニティにどのような影響を与えるかを調査しました。また、欧州委員会の研究フェロー(2020-2022年)として、ヨーロッパの周縁に位置する社会における芸術の変革的な可能性に焦点を当てた研究を実施しました。この研究「Action on the Margin: Arts as Social Sculpture」(AMASS、助成番号870621)は、欧州委員会のHorizon 2020プログラムにより資金提供されました。
SDGsの目標5(ジェンダー平等)、10(不平等をなくそう)、11(持続可能な都市とコミュニティ)の達成に貢献するため、私の最近の研究であるTRUSTプロジェクト(2022-2024年)は、先住民文化遺産のデジタル化プロセスにおける文化的緊張を倫理的に克服するための包括的な理解と実用的な解決策を生み出す、変革的なソーシャルデザインおよび芸術を基盤とした研究の役割を探求しました。
九州大学デザイン学部において、「社会変容デザイン」「ナラティブデザイン」「未来創造」「学術出版」などの講義を通じて、この知識を優秀な学生たちに伝えています。芸術を基盤とした研究やバイオアートにおける専門知識を活かし、食材、植物、織物、芸術といった物質性を文化的アイデンティティと結びつけ、持続可能なコミュニティを創出する創造的実践と交差させています。
私はこれまで、ラウトレッジから4冊を含む7冊の高評価を受けた書籍を共同編集してきました。これらのタイトルには、『Empathy and Business Transformation』『Arts-Based Methods for Decolonising Participatory Research』『Managing Complexity and Creating Innovation through Design』などが含まれます。これらの出版物はSDGsの目標5、10、11を推進するものであり、九州大学のSDGsユニットにおける私の貢献の中心的な活動となります。
サービスデザイン、ストラテジックデザイン、デザインアントレプレナーシップ
九州大学大学院芸術工学研究院助教。ミラノ工科大学で博士号(デザイン)を取得し、ストラテジックデザイン、デザインアントレプレナーシップ、トランジション・デザイン、Humanity Centered Designを研究テーマとしている。デザイン・ナラティブがより良い世界の創造と実現にどのように貢献できるかを研究。経営コンサルタント、戦略デザイナーとして、15年にわたり企業戦略とデザイン開発の支援に携わる。スタートアップ企業のCDOやアドバイザーを務めてきた。
脱炭素に向けた課題に象徴されるように、気候変動、水の安全保障、生物多様性の損失などの問題は、ますます複雑化・高度化しています。21世紀の社会が直面する“複雑で邪悪な問題”に対処し、より持続可能で望ましい長期的な未来に向けた社会の移行を促進するためには、デザインの新しいアプローチが求められています。SDGsデザインユニットでは、こうした地球規模の課題に向けて、地域的な取り組みを一つ一つを積み上げ、やがて大きなインパクトにつながるような研究や教育、様々なパートナーの皆様との活動を目指していきたいと思います。
ジェンダー平等、グラフィックデザイン
私はデザインとビジュアルコミュニケーションの専門家であり、ジェンダー平等と人権の分野に精通しています。メキシコの民間および公共セクターにおける私の仕事は、デザインスキルを活かしながら、ジェンダー視点を取り入れた規範的ツール、内部政策、研修プログラム、コミュニケーションキャンペーンを開発することに焦点を当ててきました。
社会デザインの可能性を探り、フェミニズムと人権の視点を取り入れたプロジェクトを展開したいと考えています。創造的なツールを活用し、包括性を促進し、持続可能な社会変革を推進することを目指します。
社会デザイン、サインデザイン
私の研究分野はサインシステムデザインです。優れたサインシステムは、道案内の過程でユーザーが自身や周囲環境についての認識を微妙に変化させる可能性を持っています。現在、九州大学デザイン学部ストラテジックデザインコースに在籍し、地域の障害を持つアーティストと共に参加型で道案内システムを作り上げることをテーマに研究を進めています。
デザインがサインシステムを通じて短期的および長期的にユーザーの意識をどのように変えることができるかを探求し、デザイン心理学の分野に貢献したいと考えています。
インダストリアルデザイン ソサエタルデザイン サービスデザイン ユーザエクスペリエンス
2024年に華南理工大学で工業デザインの学士号を取得し、現在、九州大学芸術工学府ストラテジックデザインを専攻しています。これまでのデザインプロジェクトでは、自然教育の普及、世代間共生コミュニティ、防災救助などのテーマに取り組んできました。現在は、高齢者の健康づくりとリハビリテーションのために、料理活動を治療手段として活用する研究を行っています。この活動が健康に与える影響のメカニズムを探り、臨床処方基準を策定する方法の確立を目指しています。
高齢者が健康的に老化し、住み慣れた地域で安心して老後を過ごせるような解決策を提案したいと考えています。それにより、政府や若い世代の負担を軽減すると同時に、高齢者自身がより豊かで充実した生活を送れるようにし、社会全体に希望と幸福感をもたらすことを目指しています。
九州大学大学院芸術工学研究院 SDGsデザインユニット事務局
福岡市南区塩原4-9-1
TEL 092-553-4466
九州大学大学院芸術工学研究院
SDGsデザインユニット事務局
福岡市南区塩原4-9-1
TEL 092-553-4466