芸術工学研究院・農学研究院共同プロジェクト、新素材「ナノセルロース」利用による脱プラスチックの取り組み

芸術工学研究院・農学研究院共同プロジェクト
新素材「ナノセルロース」利用による脱プラスチックの取り組み

私たちが普段着ている服は、合成繊維または綿や絹などの天然繊維でできています。たとえ天然繊維であっても、それを作る過程で多くの水や肥料が必要となるため、ファッションは地球環境に大きな負担となっているのも事実です。そこで2018年5月、SDGsデザインユニットは、エコなファッション素材を求め、福岡の博多織や佐賀の紙すき技術などを調査し、さまざまな素材の可能性を探りました。
調査の中で注目したのが、「ナノセルロース」です。これは、植物の細胞壁の主成分・セルロースをナノレベルまで微細に解きほぐしたもの。強度は鉄鋼の8倍、重さは鋼鉄の1/5、天然繊維なので人体にもやさしく、近年、大手企業や研究機関がこぞって研究し、注目を集める新素材です。九州大学でも、農学研究院の近藤哲男教授が竹からつくるナノセルロースの研究をすでに進めていましたが、芸術工学研究院が得意とする「アイデア創造」を活かせる余地があるように思えました。そこで、SDGsデザインユニットと九州大学農学研究院の共同プロジェクトがスタート。ナノセルロース素材がもつ可能性をデザインの力で引き出す、今後の展開にぜひご注目ください。