SDGs Design
International Awards 2022
2022年度のSDGsデザインインターナショナルアワードには、世界13の国と地域より、271点のご応募がありました。
「質の高い教育」をデザインしようをテーマに、素晴らしい作品が数多く寄せられました。
厳正なる審査の結果、各賞の受賞者が以下の通り決定しました。
募集テーマ
「質の高い教育」を
デザインしよう!
世界中の学生たちが考えた「質の高い教育」を、九州大学から世界に公開します!
将来を担う若者たちが、未来に希望を持ち、命を大切にし、平和で互いに相手を思いやることができるような教育をつくることを目的に、世界・アジアにおける「質の高い教育」について議論しましょう!九州大学から世界中の学生たちと共にあるべき教育の“デザイン”を世界に公開、共有します。
「質の高い教育」を
デザインしよう!
SDGsの達成目標 4 :
質の高い教育をみんなに
現在行われている学校教育。
これを根底から今一度考え直してみませんか。
急速な変化の時代、今だからこそ必要な教育の役割とは何か。何をもってして教育のゴールとするものなのか。これからの未来を担う若者に必要とされる、質の高い教育とは何か。企業とどのように連携すべきか。どのような教育システムが必要か。世界の教育が、アジアの教育が、今後どのような連携をしていくべきか。こういった視点から以下4つのキーワードを「教育」と組み合わせたデザインアイデア提案を広く世界中から募集します。
『文化』・『アート』・『デザイン』・『先端テクノロジー』
『教育×文化』
~文化的視点から見る教育の新しい可能性~
例)世界各地の家庭での食卓を体験できる授業
『教育×アート』
~教育とアートを融合し生まれる新しい教育の可能性~
例)しあわせな未来を創るアート専門の小学校カリキュラム
『教育×デザイン』
~デザイン手法による教育の授業・環境・仕組み作り~
例)社会的弱者にしあわせな未来を提供するための教育プログラム
『教育×先端テクノロジー』
~先端テクノロジーを生かした未来教育の提案~
例)ビックデータやAIを利用した不平等な人々にしあわせな未来を提案する教育プログラム・ツールの開発
企業とともに「質の高い教育」をデザインしよう!
社会課題の解決は1人だけでは実現できません。企業や地域との連携も重要です。各企業が、社会をよくしていきたいと考える分野においてどのような教育を提供できるでしょうか。授業のカリキュラム、イベント、アプリ、教育施設のデザイン、アートなど様々なアイデアを募集します。
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ユーコーラッキーグループ賞
地域の活性化につながる
おとなのための学びの場のデザイン「おとなだって学びたい!」
地方では高齢者をはじめとする、いわゆるおとなのための学びの場や機会があまり多くありません。そこで、「教育」というキーワードで人と人とをつなぎ、地域コミュニティを形成し、地域の活性化につなげるアイデアを募集します。
私たちユーコーグループは、パチンコ店・飲食店・ゴルフ場・トレーニングジムなど多くのおとなの方々が集まる施設を運営しております。これらの施設を利用する方々は根本的には「遊び」や「食事」・「運動」などの目的を持って訪問します。しかし、それと同時にこれらの施設は訪れる地域の方々にとって、様々な「学び」や「情報収集」という付加価値も提供する場所になる可能性があります。ユーコーグループの経営資源を生かした、新しい学びの場作りのデザインアイデアをお待ちしております。 -
マリンワールド賞
地域の海や川の豊かさを未来に残すための活動に
参加したくなる学びの場やシステムのデザイン水族館は楽しいレクリエーションの場であると同時に、生き物のこと、環境のことを知ることができる学びの場でもあります。また、希少生物の保護や啓発など自然保護の役割もあります。近年環境破壊が進む中、自然保護の役割は重要性を増していますが、水族館だけで出来ることは限りがあります。多くの人は環境問題を情報としては知っていますが、解決のための具体的な行動に移せていない場合も多いと思います。水族館のレクリエーションの機能と教育の機能を融合させることで、環境問題を自分のこととして捉え、具体的な行動を起こすことを促したいと考えています。
水族館には地域の自然の情報が集まる博物館としての機能もあります。そんな水族館が地域の自然保護の拠点となり、地域の海や川といった身近な自然の豊かさを未来に残す教育のデザインをしてください。参考
- マリンワールド海の中道の取組
- ● 移動水族館教室
- ● 磯の観察会
- ● アカウミガメ産卵調査
- ● ウミガメ保護活動
- ● 水田①
- ● 水田②
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九州ガス賞
家庭で使用するエネルギーの選択が、
様々な面で重要であることを楽しく学ぶデザイン私たち九州ガスは、天然ガスやLPガスを中心に、エネルギーの供給を通して、地域の皆様に快適で健康な暮らしを提供してまいります。
家庭で使用されるエネルギーは、経済性(年齢、家族構成、ライフスタイル等に応じた)、多様性、利便性、利用機会、利用頻度、安全性、災害に対する強じん性、使用機器のデザイン性、その他さまざまな要素の組み合わせで選択されています。
そして、そのようなエネルギー選択の一つ一つが「環境」にも影響を与えているのです。
皆様一人一人が、それぞれのエネルギーの特徴を正しく知り、考え、選択することが、地域や地球の環境を守っていくことに繋がっていくと九州ガスは考えます。
「家庭で使用するエネルギーの選択が、環境に対して重要である」そのことに、生活者が気付き、楽しく学び、納得して選択できるためのアイデアを募集します。
賞
「質の高い教育」をデザインしよう!
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金賞 1組 30万円 +賞状
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銀賞 1組 10万円 +賞状
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銅賞 1組 5万円 +賞状
企業とともに「質の高い教育」を
デザインしよう!
SDGs Design International Awardsの趣旨にご賛同頂き、SDGsに積極的な企業様から企業賞をご提供。応募された作品から、特に魅力的と感じる作品を選定いただきます。
高校生特別賞
高校生の優れた応募デザイン提案に高校生特別賞が授与されます。
審査員
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[ 審査員長 ]
尾本 章
九州大学大学院
芸術工学研究院 研究院長
九州大学 副学長・教授 -
[ 審査員 ]
Juyoung Chang
韓国東西大学
アジア未来デザイン
研究所
所長・教授 -
[ 審査員 ]
Ke Jiang
中国北京理工大学
デザイン芸術学院教授・
博士課程指導教員 -
[ 審査員 ]
田瀬 和夫
SDG パートナーズ
有限会社
代表取締役 -
[ 審査員 ]
中村 俊介
株式会社しくみデザイン
代表取締役
金賞
機会を提供するバス
~若者のための教育サービス~
Sneha Aggarwal、Shruti Chakke Chamba Tsetan、Bhaskar Sen、and Amruta Supate
(インド国立大学ほか)
本提案は、ラダック地方のチャンタン地区を拠点に、週末に移動可能な教育サービスを提供するというものです。チャンタンは厳しい気候にさらされているため、バスはこの気候条件に適する羊毛断熱材を使用した独自の設計とし、年間を通じて稼働することができます。
毎週末、生徒はバスに乗り込みチャンタンの様々な場所を訪れ、地理的・政治的・経済的・文化的に、自分たちの土地について学ぶ旅をします。この地域の課題は、より高い教育を求め、他の地域への移住者が多く、その理由の一つは、自分の住む地域を学ぶ機会の不足があります。そこでバスは巡回教育媒体として機能し、生徒が問題を発見し、問題解決とデザイン思考のスキルを身につけ、起業のための精神を養い、自分の土地を開発する「アイデアバンク」を考えるためのサポートをします。
またバスには訓練を受けたファシリテーターが同乗し、生徒の意識を高めるよう指導します。結果として、生徒の好奇心を刺激し、自分たちの土地に関する知識とデザインの視点を養い、地域のために経済的・環境的に持続可能な解決策を生み出す意志を促進します。
さらに、地域の専門家をこの旅に介入してもらうことも想定しています。学生たちが地元の専門家から学ぶことで、チャンタンの環境的・経済的に持続可能な技術や、地域の文化や貿易を促進する能力が、自分たちの地域にとって有益である、ということを考える機会を与えることができます。
銀賞
都会での食の生産教育センター
Jiang Jianghang and Deng Jingyi
(東京理科大学/駿河台大学 日本)
東京の食の安全や食文化の衰退などの問題に対して、都民に「食の生産の教育」を行うことが重要であると考えます。そこで、都民に食の生産の教育施設という「食の生産教育センター」を提案します。対象地域は文京区の東京大学の本郷キャンパスの農学部の敷地を想定しています。
「食の生産教育」の方法は、専門学校やYouTubeから学ぶ方法とは異なります。本提案は、空間体験を通じて、都民に「品質の高い食の生産教育」を提供することを重視しています。
「食の生産教育センター」は、湿室・農地・雨水収穫パビリオン・風を通す乾繰窓・大きな煙突・食の市場といった食の生産空間の要素で形成されています。求心性のある平面図は、人々を屋上の農地から内部空間の食生産と販売空間まで導きます。都民は、「食の生産マニュアル」というテキストを見ながら、栽培・乾燥・製造・販売という一連の行動を体験することによって、食の生産方法の教育を受けることができます。
審査員長講評
食の安全や食文化の保存を意図した、大規模な食に関する教育センター構築のアイデアである。また郊外ではなく都心の大学構内に配置する大胆な構想を提案している。その中では野菜の栽培から加工、さらにそれらを販売するスペースまでが食の生産空間エレメントとして並んでおり、それぞれの場所に適した風の流れまでが設計されている。また食の生産マニュアルのアイデアも示されており、これを手にしながら場内を回ることで、食に対する理解が深まることが意図されている。一見すると都心に大規模な施設を構築する大胆で非現実的なアイデアとも感じられたが、審査員は「食」という題材の教育というユニークな提案であるとの認識で一致した。
銅賞
バーチャル空間における災害訓練
Lee Yejin and Jang Sujeong
(東西大学 韓国)
メタバースを用いた防災安全教育プログラムを作成し、安全教育をより面白く、より実生活に近いものにするための方法を模索しました。また、世界中の誰もが簡単に学習できる方法を探りました。
近年、メタバースや拡張現実への関心が高まる中、関連する技術も増えています。その中で、別途アプリケーションをインストールすることなく、リンクによって具現化された仮想空間に出入りすることができる技術があります。つまり、ウェブストリーミング技術です。私たちは、この技術と教育を結びつけました。仮想空間に接続し、災害の状況を直接体験できる教育プログラムを作成し、誰もが視聴できるように配慮しました。メタバースやオーグメンテッドリアリティを使った教育の事例もあり、自分たちが考えたことが実際に実現されるという確信がありました。
私たちの安全教育プログラムでは、キッチンやリビング、道路など、現実に近い仮想空間を提供しています。この仮想空間で「ドド」「ハッピー」「ベオミー」「チャムドル」というキャラクターと一緒に安全教育が受けられます。かわいい動物のキャラクターなので、誰でも楽しく教育が受けることができます。
審査員長講評
拡張現実技術を用いた防災安全プログラムの提案である。地震、火事、水害や台風など、様々な災害に対して、あらかじめ仮想空間で模擬体験しておくことで、それぞれから身を守る術を身につけるというコンセプトで、特に子どもの受講を意識して案内役のキャラクターもあわせてデザインされている。審査においては、有効性を評価する声とともに、子どもに対して模擬的とはいえ恐怖を伴うかもしれない体験をさせることへの是非も問われた。しかし、コンセプトのユニークさと有効性が勝るとの判断によって、受賞が決まった。
ユーコーラッキーグループ賞
みんなのアートラボ
~九大生が提案する包摂的な学びの場づくり~
吉田愛彩、井関たえ、天本 日菜子、 江藤 優花、和田 千夏
(九州大学 日本)
小中学校の特別支援学級は、生徒を「障害者」と「健常者」とに分け、お互いに関わる機会は多くありません。本来は一人一人が違うはずであるのに、このような区別がされていることに、私たちは疑問を持ちました。近年は教育現場での「インクルーシブ教育」のように、「包摂的な社会」の実現への取り組みが社会全体で推進されています。そこで、私たちは本当の意味での「包摂的な学びの場」を実現するために何が必要かを考え、その結果アートを用いた「みんなのアートラボ」という場を創ることを提案します。
言語を用いないアートを人と人とのコミュニケーションツールとして捉えると、何かを創るという体験や出会った人との対話の中で自己表現をすることを通して、新たな自分の一面に気づくことができます。それと同時に、関わった他者の良さを知ることや、お互いの違いに気づくこともできます。この認め合うということを通した相互的な学びと、人との関係性の再構築の実現を本提案の目的とします。
具体的にはデザイン提案に描かれているようなワークショップを開催し、アートを共通言語とした作品をともに創ります。言語の障壁がないことから、この場には誰もが同じ土俵に立って参加できるため、子どもから大人まで様々な人がターゲットになります。大人もターゲットとしており、ユーコーラッキーグループが提案する「地域の活性化につながるおとなのための学びの場のデザイン」にも繋がります。
- 講評
- (株)ユーコー グループ
企画部
押川巧真様
今回の受賞作品は、障害者から健常者、若者から高齢者まで、幅広い人たちをインクルージョンできるアートラボの提案でした。これは様々な人々の共通言語となる『アート』に着目しており、とてもワクワクできる提案でした。特に、幅広い層を集めたワークショップの開催は、参加者がお互いに教え教わるという、とてもエンターテイメント性を持ったもので、聞いていてこちらも楽しくなってきました。インクルーシブな学びの場は、単なる教育の場となるだけではなく、人々を繋ぎ、地域の活性化につながると改めて認識できる提案でした。
マリンワールド賞
海を守る音を奏でよう
石川 青
(国際基督教大学高等学校 日本)
私はバイオリン奏者のため、音楽でプラスチックごみの問題解決ができないかを、高校1年生対象の総合学習の授業でプランを考えました。
九州大学のマイクロプラスチックごみの研究や、佐賀大学のドローンによる海洋ごみの調査、マリンワールドによる海洋の勉強をオンラインで学び、プラスチックごみの現状を知り、その後、実際に海へ行きプラスチックごみを集め、集めたごみは、発電燃料となるゴミとリサイクルに活用できるゴミに分別します。それらを九州ガスの施設に分別ゴミを持っていき、前者は寄付し、後者は炭素繊維複合材料にして3Dプリンターの原材料にします。この時、九州ガスによるリサイクルの授業を行います。
そして、東京都立産業技術研究センターに協力を依頼し、3D プリンターでバイオリンを作ります。バイオリンは生徒一人に対し一本ずつ作ります。その後、生徒によるバイオリンコンサートをし、その演奏を録音して海上やマリンワールドなどで流し、イルカを集められるかなどの実験イベントをします。それらを動画にあげ活動記録を宣伝します。
- 講評
- マリンワールド海の中道
副館長
岩田知彦様
受賞作品はプラスチックゴミという社会課題を解決するために個々になりがちな関係者の活動を教育といった視点から融合させる素晴らしいアイデアだと思います。今回は音楽というアプローチを加えていただいたことは大変面白く、まったく異なる分野からのアプローチで関心を起こさせることが期待できると思いました。音楽に限らず様々な分野とコラボレーションすることでさらに発展させる将来性を感じました。また、教育といった視点でもSDGs達成実現のためには欠かせない要素であると思います。今後の世界をよりよくするためにも様々な課題をしっかりと認識し、知識を得るだけでなく、行動を起こすということを学ぶ機会を作れる取り組みだと感じました。
九州ガス賞
私のエネルギー
~Tomodachi(友達)~
Sheryl Anne de Jesus and Marly Anne Lacaden
(九州大学 日本)
資源が枯渇している現在、私たちの日々の選択が環境に与える影響を理解することは重要です。持続可能な社会の実現に向けて、私たちが取り組むべき最も重要な課題のひとつが、省エネです。
サステナビリティを達成するために、最も重要な課題のひとつがエネルギーの節約です。多くのリソースが既にありますが、もっと身近で簡単に利用できる方法があり、年齢やバックグラウンドに関係なく、誰でも簡単に学ぶことができるはずです。
そこで、もっと身近に、もっと簡単に、誰にでも最適なエネルギー選択の方法を伝えるため、私たちは「My Energy Tomodachi」というアプリを提案します。このアプリはエネルギー使用量を記録し、日々の省エネを推奨します。ユーザーは、使用している機器の種類、エネルギー源、使用時間を入力できます。また、一般的な家庭用品の画像をスキャンすることで、その品物を作るためにかかったエネルギーと資源の量を知ることもできます。
- 講評
- 九州ガス株式会社
代表取締役
栗林宏光様
「短い期間で実現が可能だと思われる」「みなさんが簡単にスマホで使える」「非常にタイムリーにわかりやすく数値化され、大人から子どもまでエネルギーを有効に使える」こういったことから、ともだちアプリを九州ガス賞として選定しました。
一次エネルギーからのCO2の排出量もわかるとSDGsに直接取り組んでいることがより実感されやすいのではないかなと感じました。是非これは私どもとしても協力をさせていただき、実現可能なアプリとして世界のSDGs達成に寄与できればと考えております。また引き続き協力していただければと思っております。
高校生特別賞
はじめの一歩
網田暖
(熊本県立熊本高等学校 日本)
この提案の目的は、海洋プラスチックごみ問題について考えるきっかけを作り、行動を起こしやすくすることです。ターゲットは、小学生から大人までSNSが身近にある世代を想定しています。
提案のポイントは、VRやSNSを使い、「やってみようかな」とはじめの一歩を踏み出しやすくすることです。また特典を付けることで、行動を起こしやすくし、それが水族館の宣伝にもつながります。体験型の教育を行うことで、子どもから大人へと知識を広めることが可能です。またQRコードを使い、様々な場所で活動を広めることができます。
審査員長講評
海洋においてプラスチックごみに苦しむ生き物の視点を模擬体験することで、問題意識を身近なものとし、さらにSNSにおけるクイズ形式の学習機能も提供するシステムの提案である。題名に表されているように、まずこの問題に関して対応への第一歩を踏む出すきっかけを与えてくれるものである。携帯電話をはじめとするデバイスを用いた有効性、実現可能性とも高いアイデアであると評価された。
海を守る音を奏でよう
石川 青
(国際基督教大学高等学校 日本)
Tora Café (虎カフェ)
八田かれん、石田千智、松田美里
(滋賀県立虎姫高等学校 日本)
私たちはカナダ発祥のいじめ反対運動である、「ピンクシャツデー」をモデルにピンクマスクデー実行委員会として活動しています。活動の中では教育現場における多様性の尊重を掲げているのに加えて、地元の企業とタイアップするなど、教育を通して地域創生を行うことも目標の一つとしています。
今回提案するTora Caféは、現在行っているピンクマスクデー実行委員会での活動内容をさらに広げ、私たちの活動理念である「地域社会での多様性の尊重・地域活性化」を実現するためには、どのようなシステムを構築する必要があるか考え、デザインしたものです。
我々の学校がある滋賀県長浜市に目を向けると、一部地域では高齢化が進んでおり、高齢者の孤立を防ぐことが重要な課題となっています。また、私たち高校生にとって身近な問題である教育に目を向けると、貧困、虐待、いじめなどの様々な問題が存在しています。地域社会の問題と教育現場での問題は全く別のものに思えるかもしれませんが、今回提案するTora Caféによりその両方の問題の解決につなげたいと考えます。本デザイン提案は、近い未来の教育のカタチをデザインしたものです。
審査員長講評
「地域社会での多様性の尊重・地域活性化」という、確固たるコンセプトのもとに、子供から高齢者までが集る「場」を提供するアイデアである。あわせて、教育の場としても活用できる機能を想定しており、地域社会と教育の問題の双方に取り組む意欲的な提案である。滋賀県長浜市という特定の地域を想定しているが、一般化して実現できる可能性も高い提案であると評価された。
審査員長講評
バスという移動手段を用いて、教育機会を積極的に提供するアイデアである。経済的、教育的に遅れていると思われる地域において、学ぶ者自身がバスに乗り込み、ファシリテーターとともに問題点を見つけ、課題解決の糸口を掴むための教育が実施される。教育そのものというより、自分達の土地の価値を知る事で、結果として故郷を持続的に繁栄させ、経済的にも進歩することを意図している。特定の地域を想定した提案であったが、バスを道具として使う、持続可能性、実現可能性、さらに他地域へも拡張の可能性が高い秀逸なアイデアであり、金賞に相応しいとの見解で審査員全員が一致した。